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自分の可能性をどこまでも

己を知り、彼を知る

< 己を知り、彼を知る > 2016/02/02

 孫子は「彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」といいました。これは一般的には次のように解釈されます:敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも 味方のことも知らなければ必ず負ける。*注意:「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」とも。

しかし、ここにもう一つの解釈があります。

 古代ヘブライ語(古代ヘブライ語では、母音を省いた子音のみの表記で記述されたものを口伝で語り継いでいた。)では、聖なる御名を”Y・H・V・H”(ヨド・ヘイ・ヴァウ・ヘイ)と言いました。このヘイたる”H”が英語の”He”(彼)の語源となりました。

 そこで、孫子の言葉の中の”彼”を神と読み替えてみましょう。すると「神を知らず自分自身のことも知らなければ、困苦に満ち満ちた人生になろう。神は知らずとも自分自身が分かり始めたならば、人生の困苦も和らぐであろう。自分自身を知り神を知ったならば、自身の人生を支配し得ることだろう。」となります。

 知らないということ、つまり無智は大きな罪です。ここで言っているのは単に学校教育で習う「知識」のことではありません。人生でくじけそうになった時、ギブアップしそうになった時に必要な導きが、真の「智慧」です。そして、この言葉の中にある「神を知らない」といった無智もありますが、自分自身に対する無智が最も大きな罪でしょう。

 したがって、負け続けの人生で初めての一勝を得るためには、彼たる神のことはともかく、まずは自分自身を知るということが先決なのです。人生を生き抜くための浮き輪や正しい物差しを手に入れるためにも、自分自身を知る必要があるのです。

KOSEI