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中国面白体験記その9 <買い物と市場>

< 買い物と市場 >   2016/02/11

 10数年前から中国にも外国資本の大型スーパーマーケットが続々とできています。規模から言うと日本のスーパーマーケットとは比べ物にならないほど広くて品揃えも豊富です。人口が多いということもありますが、何ごとも「デカイ」ことを好む中国人ですから、そのスケールの大きさには日本人は舌を巻くでしょう。しかしそれらのスーパーマーケットが盛んな反面、ちょっとした裏路地の「市場」も健在です。スーパーマーケットのことを中国語では「超市」といいます。超がスーパーで、市がマーケット、という訳ですね。

 それに対して街の片隅の小さな市場もまた風情があるというか、味があるんですね。日本ではおそらく今はあまり残っていないでしょう。軒を連ねて個人商店が並び建っています。中には露天のようにこじんまりとやっている人もいたり・・・、曳き売りのようなことをやっている人がいたり。日本で言えばちょうど上野のアメ横みたいな感じですね。もちろん露天商だけが並んでいる市場もあります。そこで「客:これいくら?」「店:どのくらい買うの?」「客:500gね」といった庶民の感覚で買い物をする場所です。肉屋さんから八百屋さん・・・・、大体の食材は揃っています。もちろん市場では食材・食品ばかりではなく、日用品や衣類まで何でも売っています。意外と多いのが個人が道端で座り込み自分の前に風呂敷のような布をひろげて小物を売っている光景です。生活していけるのかな?と思わず思ってしまいますけど、ぽちぽちと売れているようです。

 あと、中国の主だった都市に多いのが「乞食」です。道端に座って物乞いをしています。でも多くの中国人は乞食にお金を上げていません。何故だろう?中国人は他人の不幸に冷淡な民族なんだなぁ・・・、と思っていたのですが、じつはそこには外国人には分からない事情があったのです。彼等乞食はじつはひとつのビジネスなのです。会社組織になっていてそこで働いている人たちです。職業乞食というわけで、人によっては結構な収入を得ている人も多いそうです。汗水たらして働いている人から見れば、「自分が働いたお金をナゼ座っているだけの奴に恵む必要がある!?」と、こうなるわけですね。

 また「花売りの少女」も印象的でした。クルマのドアを開けた途端に売り込みに来る。まだ小さな少女がきれいな花を持って「お花買って・・・」と来るのです。一つ売れればいくらかコミッションがその子供はもらえますが、多くはピンハネされているのです。会社組織と言いましたがまともな組織ではないでしょう。そこらへんの事情を分かっている中国人は大声で、乞食或いは少女を躊躇なく追い払います。行政が悪いから貧民がいなくならない、しかし哀れ心を起こして恵んでいると、キリがない。

 本当に豪華でキレイな大型スーパーマーケットやきらびやかな宝飾店、そこに買い物に来る裕福な人たち、外国高級車に乗っている人。しかし反面道端で一日座るしかない人たち・・・・。中国が経済発展への道を歩き始めお金持ちが増えてきましたが、お金持ちが増えれば増えるほど、惨めな人たちとの差がくっきりとしてきます。東北三省と言われている「遼寧省」「吉林省」「黒龍江省」の冬場はマイナス20度~30度という冷凍庫の中と同じキビしい温度の外気ですが、その気温のなかでも彼らは石のように座っているのです。1元(今日現在17円日本円)コインを上げてください。彼らは恵んでもらえるとしても「角(1角は1元の10分の一)」か「分(1分は1角の10分の一)」なので、「謝謝」といって心底喜びます。たとえ冷凍庫のような気温の中でも、たとえピンハネをされようとも、他に仕事がないので仕方がないのです。中国で人気の高いドイツ車の高級車の値段は日本で1台700万円ぐらいです。イギリスのランドローバーも今人気がありますが、ほぼ同等の価格。

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