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中国面白体験記その77<中国文化:中国語学習005>

<中国文化:中国語学習005>  2016/04/20

自分がいままで中国語を学習してきて「難しいな」と感じたのは、多くの日本人と同様ヒヤリングとスピーキングですが、どちらかだけが長けてもコミュニケーションには問題があります。以前ある人の紹介でしたが、中国人の若い人が日本語を勉強しているので話し相手になってほしいといってきました。「べつにいいですよ」といって僕は快諾しました。さて喫茶店に入って話し始めたわけですが、お互いに日本語で簡単な自己紹介が終わって、徐々に色んな話題に移行していきます。驚いたことに結構上手な日本語を話します。しかし、どうも様子がおかしい、何かがピンとこないのです。会話が進むうちに次のことが判ってきました。その人は上手い日本語の文章を話すのですが、こちらの質問を聴き取ることができていないようなのです。だから一方通行のような会話です。ヒヤリング能力の欠如です。僕の質問には適当なあいづち程度で細かい部分に答えていないのです。

たとえばこんな感じです。相手の人の名前を李さんとしましょう。

李:私の住んでいるマンションは6階建てのマンションで、私は毎朝近くの公園まで散歩に行きます。

KOSEI:そうなんですか!毎朝ってすごいですね、どのくらい歩くんですか?

李:そうですね、私の家族は四人家族で両親と弟が一人います。

・・・・・、とまあこんな会話が延々続きましたが、まったく対話が成り立っていませんね。僕は李さんが毎朝どのくらいの距離或いは時間を歩くのかを知りたくて質問したのに、「そうですね」のあいづちだけで済ませてしまい、李さんは次の話題の家族構成に勝手に移ってしまっています。おそらくヒヤリングに自信が無かったのでしょうし、訓練もしていなかったのでしょう。スピーキングの訓練だけを一生懸命頑張ったのでしょうね。

これは良い「反面教師」です!我々日本人も中国語を学習する際はヒヤリング、スピーキングの両方をバランスよく訓練しましょう。相手の言っていることを意識的に聴き取るクセをつけることが重要です。

聴き取れなかったら判ったふりは禁物であって、ちゃんと相手に確認しましょう。「私はあなたの言っていることが聴き取れません」を一番簡単に中国語で相手に伝えるには「我听不懂(ウォ ティンブドン)」です。「もう一回話してください」は「再说一遍(ザイスゥォア イービエン」です。何回聴いても聴き取れなければあきらめましょう。その何回も繰り返し話してもらう行為が重要なのです。

とはいうものの、今日はスピーキングで僕が苦労したときの話を・・・(といっても同時にヒヤリングもできないと話せないのですが)。下の画像を見てください。

この画像↑↑を見るとけっこう苦労してたのがわかりますね、書き込みの多さが苦労を物語っています(笑)。上の画像にある頁は「複合母音」を学習する頁ですが、頁上部の丸は僕が自分で書き足したもので、語勢の大小を表しているものです。たとえば、「 ai 」という複合母音は「 a 」を強く発声し、「 i 」を小さく発声するようにするのです。しかし耳だけでそれを覚えていくのは時間がかかります。だいいち、そのうちに面倒になってきてしまい、投げ出してしまいます。そこで音譜のように書き記しておくのです。じつはこの手法は僕の発明ではなく、株式会社アルクの「中国語マラソン」のなかにあった手法です。

最初から複数の教科書を使うことはあまりお勧めしませんが、あるところで行き詰ったときなどは打開策が他の教科書で見つかるかもしれません。また最近はインターネットで検索をかけても見つかるでしょう。中国語の学習サイトはたくさんありますから。しかしそれにしても中心になる教科書は決めておいたほうが良いです。

また日本語にはない発音は日本人の学習者泣かせですが、これも細かく自分でカタカナに置き換えて発音の助けに使うのもいいです。上の画像見にくいかもしれませんが、「 ao 」とありますが、これは実際の発音を何回も聴くと「アォウ」と、アとウの間にちいさな「 ォ 」が入っているように聞こえます。結果的に「アオ」と読むだけではなく、そのあとに「ウ」を付け足すような感じで発音します。なおかつ「オ」はそれほど大きく読まない。そこで手書きで「アォウ」と書き込んでおくのです。すると次からは「 ao 」を単に「 アオ 」と読むのではなく、「アォウ」と読むようにします。すると不思議なことにネイティブの発音に近くなります。それはそうでしょう、この方法はデッドコピー(丸々コピー)しようということですから。このように一度でもコピーできたら、あとはとにかく飽きずにバカになって繰り返すのが上達への早道です。

↑↑(なつかしの)NHKラジオ中国語講座 1996年4月号の表紙 思い出いっぱいです

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