KOSEIのブログ

自分の可能性をどこまでも

異端カタリ派

異端カタリ派

12~3世紀、フランス南部にカタリ派(訳によっては「カタール派」)という宗教が広まった。またの名を「アルビジョア派(アルビの者たち)」ともいい、あるいは「新マニ教」とも言われていた。

しかしキリスト教会と王室からは異端扱いされ、異端討伐の十字軍によって徹底的に弾圧され(「アルビジョア十字軍」として百万の犠牲を出したといわれている)、その聖職者たちは虐殺された。しかしその教義は存続してきた。このカタリ派の全てを知るのは非常に難しいが、ヨーロッパの闇の歴史を知るには避けて通れない存在である。「異端」とはあくまで弾圧する側の言葉であり、自らは自らを「キリスト教」と呼んでいた。その教義の概略としては、善と悪との両原理を究極までおしすすめたものであり、『宇宙全体は暗黒の王によって創造されたものである。それゆえに禁欲的道徳が必要である』としているが、いっぽう矛盾するようであるが彼等は地上の国を「サタンの国」としながらも、霊の世界からは地獄を追放してしまっていた。したがって『この世の終わりにはあらゆる人間の魂は数多くの他の肉体に宿る長い道程を経て救われ、全ての光明は闇黒から解放される。』という教義もある。弾圧される側の常としてカタリ派も秘密結社でもあり、「相互認識の記号」「合言葉」「占星術」といった教義をも持っていた。

以下、

「異端カタリ派」フェルナン・ニール著/渡邊昌美訳/文庫クセジュ、P64~P65より引用。

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彼等カタリ派は、カトリック教会内部の反逆者でも、教会の財産を狙う者たちでも、異端でも、離教者でもなく、徹底した信念を有する者たちであった。事実、信仰を棄てるくらいなら、むしろ進んで火中に身を投ずるほうを選んだ者たちである。カタリ派は幼稚で素朴な宗教だとよくいうけれど、実際にそのような宗教なら何千という殉教者を出しはしないであろう。またその鎮圧に半世紀にわたる戦争や百年以上も続く人間狩りも、必要ではなかったであろう。

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これだけの信念を持続できた人間がかつては存在していたのですね。私は以前よりカタリ派死海文書、そして秘密結社といったヨーロッパの闇の文化に関しては興味は持っていましたが、現代人と以前の人とを比べるとまさに「隔世の感」があります。

カタリ派に興味を持たれた方は以下の書籍を当たってみてください。しかし私が興味をもち書籍を購入していたのはかなり前で、現在はこれ以外にもネット検索すれば色々な書籍が出ると思います。

1.「異端カタリ派」フェルナン・ニール著/渡邊昌美訳/白水社文庫クセジュ

2.「秘密結社」セルジュ・ユタン著/小関藤一郎訳/白水社文庫クセジュ