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中国面白体験記その66<中国文化:道教と中国秘密結社>

<中国文化:道教と中国秘密結社>  2016/04/09

道教は一般的には宗教と言われていますが、民間信仰やら迷信やら民間医療のゴッタ煮に儒教と仏教がスパイスを添えているものなのかもしれません。しかし道教には大切なもう一面があります。それは「秘密結社」です。秘密結社といっても「コーサ・ノストラ(イタリア/シシリアン・マフィア)」のように犯罪的な結社もありますが、政治的なまたは宗教的な結社もあります。そもそも宗教団体は元々閉鎖的な団体なので秘密結社的な性格が強いですね。その他にも「黄金の夜明け団」のように、魔術結社をかねている団体もあります。イルミナティという秘密結社がありますが、一般的にアダム・ヴァイスハウプトという人が創設したといわれています。たしかにヴァイスハウプトがドイツのババリアで創設した団体なのですが、イルミナティとしての運動はその遥か以前1000年以上前から存在していたようです。ダンの「時間の実験」にあるように、各時間の差は質と実体の濃度の差なのです。つまり形として表面に出ていなくても、イルミナティの場合は人間の心の奥深くには光を求める志向性があったのです。これは肉体が滅びても霊は生き続ける、という考えと共通しています。形を持たない、これぞ真実の秘密結社です。誰も見つけることはできないですから。それでいて社会に大きな運動を与える活動はしている。

では中国の場合の秘密結社とは?

この画像は中国の有名な秘密結社「紅幇(ホンバン)」の会員証ですが、1946年に発行されたものです。中国で秘密結社といえばまず上がるのが「紅幇」「青幇(チンバン)」の二つです。この会員証の名前の欄(中央下部)には、じつは日本人の名前が記されています(故人の方ですがモザイクで隠してあります)。日本人が中国に渡り秘密結社・紅幇に入会したようです。しかし中国にはこの代表的な2つの秘密結社のほかにも幾つかの結社があります。なかには存続しているものもあり、現在は活動していない結社もあるとのことです。

中国では皇帝の独裁政治が2000年以上にわたり続きましたが、独裁あれば反動ありで、虐げられた農民大衆により反乱や暴動が専制政治に対して行われたようです。それらの多くは宗教団体が中心になっていたのです。中国道教(中国仙道)の仙人のひとりとして数えられている「張道陵(ちょうどうりょう)」は、道教教団「五斗米道(ごとべいどう)」の創始者でしたけれど、この五斗米道こそ、民衆を反乱暴動に駆り立てていた教団の雄なのです。五斗米道のほかにも白蓮教、太平道、弥勒教、マニ教といった異端宗教が民衆相互を結びつける役割を果たしました。

この民衆相互を結びつける役割を果たした存在がもうひとつありました。それが秘密結社です。上でお話したのも秘密結社なのですが、いまでいう秘密結社というイメージからはちょっと違っていて、あえていうならば「秘密宗教結社」とでもいうべきものですね。秘密結社のことを中国語では「会党」とか「秘密会党」あるいは「幇会」といいます。その数はものすごく多くいま現在でもたくさんの「会党」が存在しています。僕はある友人の紹介で「××幇」の人と知り合いました。彼は東南アジアでも事業を展開しており有力者です。彼は僕に「幇」への加入を勧めてきましたが、僕はその「幇」は非合法な事業もやっていることを知っていたので、お断りしました。下手なごまかしの理由は話さず「あなたのやっている事業は非合法なものがあるが私はそういうものはやらない」といって断ったのです。ここでも「相手に自分の考えを伝える」ことが大切だということがわかります。中国語の勉強!頑張りましょう!

三合会の儀式の時の香主

紅幇、青幇以外で有名なところでは、天地会、三合会、小刀会、哥老会、大刀会、義和団、一貫道、在理教等々ですが、つまるところ紅幇、青幇のどちらかの系統に入ります。このほかにも紅卍字会と日本の宗教団体・大本教出口王仁三郎との関係、摩訶不思議な中国秘密結社の謎の武術「洪拳」の秘密などなどなど・・・・、興味は尽きません。中国の面白さはじつはここにあるのです。さらにさっきお話したように、いま現在でも大きな「幇」小さな「幇」がたくさんあります。

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