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埼玉県秩父地方の迷信001<祈祷・呪い>

祈祷・呪い  2016/05/28

いわゆる迷信の類ですが、色々とあります。

1)血マメ:「誰々に教わったことを忘れたか」と呪いを教えてくれた人の名前を唱え、手に唾をつけてその患部を三遍なでる。これを三回繰返す。またマメのできたときは「件(くだん)の如し」と指で書き「アブラオンケンソワカ」を三回唱え息を三回吹きかける。

2)火傷:「天竺の権田ヶ原の大蛇が火に入りて、焼けほこり、水をかけかけふきしめし、アビラウンケン」と何回も繰返し唱えながら息を吹きかける。湯で火傷をした場合には「天竺の権田ヶ原が湯に入りて、焼けほこり、水をかけかけ吹きしめし、アビラウンケン」と唱え息を吹きかける。火傷を筆で墨を塗り氷という字を何回も書く。そして「アビラオンケンソワカ」と唱えると火ぶくれにならない。また冬至の日に水を竹筒に入れ、自在カギに供えておくと火傷をしない。火事にもならない。

3)イボとり:稲妻のときイボを箒で掃くと取れる。イボと山椒の木の枝の間に棒をかけて「イボが山椒の木に移るように」と呪いをする。里芋の葉にたまった露でイボを洗う。十五夜の時に飾ったススキの切り口についた露で洗う。不動様の下の石でなでる。恵比寿さまに供えた水を毎日飲む。線香の灰をつける。お盆さまの茄子の馬のつゆをつける。稲妻のとき「イボイボ一本橋渡れ」と唱えて箒で掃き落とす。墓場の茶碗の水をつけると取れる。

*迷信の類は数や種類からいってこんなものではないのですが、適当なところで・・・・。

これらはすべてではないですが、フレイザー博士が言うところの「共感呪術(模倣呪術)」、「感染呪術」等に分類できると思います。

興味がある方は、フレイザー博士が著わした「金枝篇」を当たってください。オススメの本です。この本は以前は岩波文庫からフルセットで出ていたと思うのですが、その後改訂版が出版されました。しかし価格がずいぶん高騰してましたね。呪術は魔術や神秘儀式との間に目に見えないつながりがありますから、とても興味深いジャンルです。

しかし「良書を安く」を基本構想ですすみたいですね。概観を知りたい人は、白水社の「文庫クセジュ」の中の「呪術(J.A.ローニー著)」でも充分だと思います。

KOSEI