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中国面白体験記その98<中国薬膳04/薬膳と食養法>

<中国薬膳04/薬膳と食養法>  2016/05/15

いままでこのブログでは普通に入手できる食材を使った健康増進のためのレシピを紹介してきましたが、これは分類で言うと「食養法」になります。

せっかく薬膳に興味を持たれてこのブログを読まれている方もいらっしゃるでしょうから、今日は少しカタイ話になりますが、そこらへんのいきさつについて・・・・。そもそも薬膳学の定義というのは、「中国の伝統的な食事療法と食事養生に関する理論と経験を研究し、それを整理し発展させて、近代栄養学、栄養衛生学と結合させる医療、保健方面のひとつの実用科学」という解かったような解からないような説明になります。

つまり薬膳には食養法や食療法も含まれていて、医療とか保健という分野もカヴァーしているということなのですが、食養法は大体普通の食材を使って料理しますが、薬膳となると治療効果、保健効果を高めるために時には漢方薬を多用します。または漢方薬そのものでなくてもそれに近い効果を持つ食材を使います。

だから漢方薬を使わなくても治療効果の高い食物を使えば「薬膳」といえると思います。

ではお料理なのに何故「薬膳」というように「薬」とい字を使うのかというと、これは中国の伝統的な医学での「医食同源」という思想のとおり、広い意味では医療効果のある食べ物は一種の「薬」といえるからです。

中国では有名な薬膳の専門書である「飲膳正要」という書物の「食療諸病篇」というところに、大根粥、小麦粥というような処方があるのです。これらの処方には漢方薬こそ使われていないのですが、大根や小麦はそれ自体に治療効果がある食物なので、これらも薬膳の中に入るわけですね。

でも感覚的には薬膳というと漢方薬を使ったものとみなす人も多いようです。これは僕はミクロ的な見方だと思います。中国の専門家の中にもこういう見方をしている人もいて、漢方薬を使わないものを「食療学」として、漢方薬を使ったものだけを「薬膳学」として区別しているのですね。

しかし要は美味しく食べて身體の保健、健康増進、疾病予防になればいいのであって、学者さんには好きに分類してください、といいたい。

今日は少し肩の凝るお話でした。

KOSEI