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KOSEIのブログ

自分の可能性をどこまでも

古代密儀と秘密結社001

< 古代密儀と秘密結社001 > 2016/01/22

マンリー・P・ホールの著わした「古代の密儀」という本があります。これは「象徴哲学体系」の第一巻に位置づいているのですが、僕の愛読書の一つです。この第一巻「古代の密儀」のなかに「古代密儀と秘密結社・近代フリーメ-ソンの象徴体系に及ぼした影響」という項目がありますが、この一部をご紹介します。一般的に「秘密結社」というと、「何かワケが判らないもので危険な雰囲気」といった先入観は捨ててください。秘密結社は存在しなければならない理由があったのです。

★ここから引用(P63)

 知的能力を使わざるを得ない問題にぶつかったとき、強靭な知性の持ち主は、何とかうまく持ちこたえて、その問題に関するさまざまな事実を明らかにすることによって解決を図ろうとする。ところが知能の未熟な人は同じような問題にぶつかるとすぐ挫けてしまう。前者は自分の運命という謎を解く資格があるといってよいが、後者は羊の群れのように適切に導かれ、単純な言葉で教え込まれなければならない。彼らは全面的に羊飼いの差配に従っている。使徒パウロが言っていることだが、これら小人どもはミルクで養わなければならない。肉は大人の食物なのである。思慮なきことはほとんど子供らしさと同義であり、思慮深きことは成熟の証である。

 とはいえ、成熟した心の持ち主は世の中に稀にしかいない。事実、そのため非キリスト教圏の哲学的・宗教的教義は、この人間的知性の二つの根源的集団の必要に応じて、二つの部分に分けられている。一方の集団には哲学的な人々が属し、他方には生命の深い神秘を見極めることのできない人々が集まっている。この少数の明察家には秘教的つまり霊的な教えが開示されるが、一方、その資格のない多数者には、表面的なつまり顕教的な解釈が授けられるだけである。「自然」の偉大な真理や自然法則の抽象的原理を単純化するために、宇宙の生ける諸力が人格化されて古代神話の神々や女神になった。無知な大衆はプリアポスやパン(生殖エネルギーを表す神格)の祭壇にせっせと供物を捧げたけれども、賢者はこの大理石の彫刻が偉大な抽象的真理を具体的に表わすための象徴にすぎないことを知っていた。

 古代都市ではどこでも、大衆の礼拝や献納のためのさまざまな神殿があった。また、どの社会にも「自然」の秘密に通暁している哲学者や神秘家がいた。これらの人々は、普通、一団をなして超俗的な哲学的・宗教的学派を形成していた。そのうち比較的重要な結社が密儀として知られていたのである。古代の偉大な知性の持ち主はほとんど、このような秘密結社に参入していた。その参入式は異様な神秘的儀式によって行なわれ、極めて残酷なものもあった。アレクサンダー・ワイルダーは「密儀」を「一定の時期に執り行われる神聖ドラマ」と定義している。「最も有名な密儀は、イシス、サバチウス、キュベレ、エレウシスの密儀であった。」入門を認められると、参入者は太古より伝わる秘密の智慧を授けられた。プラトンは、この種の神聖な結社の秘伝を受けたひとりだが、彼の書物のなかで「密儀」に関する秘密の哲学的原理を大衆に打ち明けてしまったという理由で厳しく非難されている。

 非キリスト教圏ではどこでも、国家宗教を持っていたばかりでなく、もうひとつ、哲学的に選ばれた者だけが入門を許される秘密宗教を持っていた(また今でも持っている)。これら古代の祭儀の大半はその秘密を明かすことなく地上から消えてしまった。しかし僅かながら時代の試練を経て生き残っているものもあり、その神秘的象徴体系は、いまだに保存されている。フリーメーソンの儀礼の多くは、智慧の鍵を授かるのに先立って、古代の大神官が志願者に課していた数々の試練に基づいている。

 古代の秘教がその時代の知性にどれほど大きな影響を及ぼしたか、またその精神を通して後世にどれほど深い衝撃を与えたかを知る人は少ない。ロバート・マッコイ(第三十三階級)はその著『フリーメーソン史概説』において、古代の「密儀」が人類文化の伽藍を建てるにあたって、どれほど重要な役割を演じたかに多くの頁をさいている。彼はそのひとつとしてこう言っている。「こういった密儀という制度のおかげで、文明が完成し、哲学、科学、芸術が古代人のあいだで発展したと考えてよい。それは密儀の帳(とばり)のなかで、宗教、道義、美徳の最も崇高な真理を具体的に示し、その弟子達の心に深く印象づけようとしたのである。・・・・その主な目的は神がひとつであること、人間は再生して永遠の生命を得ること、人間の魂の尊厳なることを教え、人々をして宇宙の美と偉大と高貴のなかに神の面影を見ることができるように導くことであった。」

 霊的能力の凋落とともにあらゆる民族の堕落史が始まった。それとともに「密儀」は倒錯状態に陥った。怪しげな妖術が神々しい魔法に取って代わった。バッコス祭儀などの言語道断の祭りが導入され、倒錯が至高なるものを圧倒した。どんな制度といえども、それを構成するメンバー以上のものにはなりえないからである。それに絶望して、ごく少数の真理の護持者だけが秘密教義を忘却から救おうと努力した。成功した場合もあるが、大抵の場合、秘伝は失われて「密儀」のうつろな殻だけが残るはめになった。

★引用ここまで

この本は内容が非常に興味を引かれるものです。いつの時代でも「秘密教義」は存在しており、それが時代を引っ張っていくものなのです。ただしその「秘密教義」の内容を知ることが許されるのは、やはりそれなりの資格を備えている人でないといけないのでしょうね。

KOSEI