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自分の可能性をどこまでも

神は悪を含んでいる?

< 神は悪を含んでいる? >      2016/02/03

 神はある目的のために私たち人間を造りました。では、その目的とは何か?というと、それは神自身の内に内在した不調和(ネガティブ・悪)状態を調和(ポジティブ・善)状態へと変換するためなのです。神は自身の内に自身の調和状態とは違う不調和状態があることに気づかれました。

 神は、その不調和を変換しようとしましたが、調和状態の神には不調和を捕まえることはできませんでした。水と油の関係のように、水である神は油を捕らえようとしても油が逃げてしまい、どうしても捕らえる事ができなかったのです。

 そこで、神は自身の力を弱めながら不調和と接することが出来るいびつな物質界マルクト(生命の樹)を造られたのでした。ところで、物質界を造られた神は、自身がいると不調和と接することが出来ません。

 そのあと神はケテル(生命の樹)の内奥へと引き下がられたのでした。そして、神の代わりに魂の延長である私達が、この物質界に存在して不調和を調和したものへと変換することとなったのです。私達の住む物質界は陰と陽の両極が共に存在しています。不調和と調和、悪と善、ネガティブとポジティブの両極が別個に存在する世界に私達はいるのです。

 カバラの深遠な教えによると、原初のはじまりには、『ホア』というもののみが存在していた。『ホア』とは”日々の古代”の真の霊たる原初アゾトから発したエッセンス(精髄)であり、中心に目がある三角形で象徴されます。この目がつまり古代一者である『ホア』を象徴しています。三角形の各点は三母字(アレフ、メム、シン)の各字を表わしています。

 『ホア』は、さまざまな名称で呼ばれています。”古代一者”、”全隠蔽の隠蔽”、”日々の古代”、”アイン”。この『ホア』が原初の神ということになります。別のブログで書きましたように、ケテル・コクマー・ビナーにより『霊界』が形成されましたが、『ホア』はその霊界の中心に位置すると考えるといいでしょう。そして、そのあと『心界』が形成され、『アストラル界』が形成されていきました。

 『アストラル界』の外側にあるのが『物質界』ですが、その『物質界』の外側にはネガティブの海が広がっています。私たち人間は、ネガティブの海と接しています。そして自身の人生に現われてくるネガティブをポジティブ状態のものへと変換することが、私たちの仕事であり存在目的なのです。

 私達がネガティブをポジティブ状態に変換していくことで、物質界の輪がネガティブの海を飲み込みながら段々と大きくなり、神も成長し拡大していくこととなります。神も私たちも共に成長しているのです。

 神の内に不調和がある、つまり神の内には「悪」も存在するというと、何か違和感を覚えるかもしれません。しかし、神は完全なものでしょうか?もしも神が完全でこれ以上進歩しようがない状態であったならば、いつかは、人が追いつき追い越すことになるでしょう。神が不完全な存在であるが故に、成長し拡大もし得るのではないでしょうか。

 旧約聖書ヨブ記には「1:6 ある日、神の子たちが来て、主の前に立った。サタンも来てその中にいた。」とあります。神の子の一人が、サタンであるという意味をお考えください。

 人は産まれた時からネガティブの海に囲まれながら人生を生きて行きます。人生において、さまざまなネガティブと遭遇することが当然な状況でもあるわけです。仏教でも一切皆苦ともいわれていますが、私たちのネガティブからポジティブ状態に変換していく作業は、結局は私たち自身の人生に跳ね返ってくるのだと思います。『上なる如く、下もまた然り』で、内宇宙は外宇宙とシンクロしているわけですから。

KOSEI